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旅行作家
石田 ゆうすけさん
和歌山県白浜町生まれ。7年半かけて自転車で世界一周し、87ヵ国を訪問。その顛末をつづった『行かずに死ねるか!』(幻冬舎)は中国など3ヵ国で翻訳され、累計25万部を越えるヒット作になった。続編に『いちばん危険なトイレといちばんの星空』や『洗面器でヤギごはん』(ともに幻冬舎)がある。ほかに『台湾自転車気儘旅』(KADOKAWA)、『大事なことは自転車が教えてくれた』(小学館)など。また食の記事も手がけ、『アンソロジー餃子』(PARCO出版、共著)『アンソロジー カレーライス‼ 大盛り』(ちくま文庫、共著)がある。全国の学校や企業で「夢」「人権」「食」「生き方」をテーマに講演も行っている。
スピリチュアルに傾倒し、神秘思想にどっぷりつかっている人を、僕はつい冷めた目で見てしまうのだが、自転車世界一周の旅をやったときは、いわゆる聖地と呼ばれる場所に何日も居続けたり、瞑想の真似事をしたりした。早い話、“そういうの”は嫌いじゃない。ただ、なんでもかんでもパワースポットに仕立て上げ、その惹句にひかれて人が集まるという近年の現象には、やっぱり首を傾げてしまうのだけれど……。
そんな僕が、熊野本宮大社を訪れたのは、世界一周の旅を終え、南紀白浜の実家にゴールした数日後のことだった。
長い石段を上って境内に入った瞬間、サッと肌が粟立った。空気が澄みわたり、光が溢れたように見えた。ああ、なんだ、と思った。こんな近くにあったんだ――。
土地の持つ引力に圧倒され、何日も離れられなかった世界各地の聖地と、肩を並べる熊野。1,000年以上人を惹きつけ続けるこの地の魅力を、たくさんの人に味わって頂きたいなと思います。
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