高野山・熊野を愛する百人の会

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メンバー紹介

高野山真言宗別格本山慈尊院 住職

安念 清邦さん

Profile

世界遺産慈尊院住職。富山市の最西端の地で、真東の立山連峰からの朝日が拝める場所で生まれ育った。高野山大学卒業。富山出身の当院前住職の婿養子となる。九度山町文化財保護審議委員。
当院は、世界遺産のコアゾーンに全境内が入っているため、工事も制限されます。重要文化財の弥勒堂は、21年目の檜皮屋根ふき替え3度のうち1回は県指定文化財多宝塔の総解体修理、大師堂瓦屋根修復等、仮屋根屋舎はクイを打つことができず、数年にも及ぶ工事でした。工事中は台風の襲来を受けました。地震や盗難など、心配の種は尽きませんが、文化財を守っていくことが、私の使命。

世界遺産高野山町石道登山の雑感

私は、高野山参詣道である町石道の出発点にある寺院住職です。
参詣道が世界遺産となったことを受け、再度24kmも続くこの道を登りました。道には、町石という高さ2mの卒塔婆(ソトウバ:仏の名と町数が刻まれた石)が、1町(109m)ごとに建てられ、高野山までカウントダウンすることができ、登る人々に安心感を与えてくれています。
初めは足慣らし、1.3kmを過ぎると急坂になります。その後は平坦地となり、大門が近づくと、胸突き八丁と呼ばれる最後の急坂が現れ、これを登りきれば終点まで下り。私は、この道を歩くことで、自然に仏心が体現できると思います。
秋になれば、赤や黄色の柿の実やイチョウ、モミジが左右に広がり、山上には千古の桧に杉の参道があります。また、各大名の墓をはじめ、数十万基とも言われる墓がある。まさに日本の歴史が凝縮されている気がします。こんな魅力的な道であるため、百八遍以上、登る方もおられます。

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