高野山・熊野を愛する百人の会

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メンバー紹介

作詞家

及川 眠子さん

Profile

1960年2月10日生
1985年三菱ミニカ・マスコットソングコンテスト最優秀賞作品、和田加奈子『パッシング・スルー』でデビュー
Wink『淋しい熱帯魚』、やしきたかじん『東京』、新世紀エヴァンゲリオン主題歌『残酷な天使のテーゼ』『魂のルフラン』などヒット曲多数
著書には『破婚〜18歳年下のトルコ人亭主と過ごした13年間』『ネコの手も貸したい〜及川眠子流作詞術』『誰かが私をきらいでも』などがある
数々の歌い手に詞を提供するとともに、ミュージカルの作詞・訳詞や舞台の構成、CMソング、エッセイやコラム等の執筆や講演活動、アーティストのプロデュースも手掛けている。

「龍の申し子」

私が生まれ育った紀の国には、大きな龍が横たわっている。その者は古代から大地に座し、水とともに流れ、時には空を飛び回り、生まれては消えてゆく命たちを静かに見つめてきた。日照りも雨もすべて龍がもたらしたもの。そして、奇跡と呼ばれることさえも。
人なんてせいぜい生きられて百年。なのに、目先の欲と浅はかな知恵で、先祖たちが大切に紡いできたものを壊し、やり直しのきかない世界を作ろうとする。しかし、人が進もうとしている道もまた龍の意図するものならば、抗いながら受け入れながら、与えられたこの命を全うするだけだ。
私たちの未来にはいったい何が待っているのだろう。想像を超えた進化を遂げるのか、あるいは破滅へと近付いているのか、それは誰にもわからない。
そして龍はただ見つめ続ける。私たちの過去を現在を未来を。
龍とは神なのか。あるいは、自身の心に宿る慈悲や悔悟や希望なのか。
紀の国に横たわる龍は、今日はどうやら微笑んで、この龍の申し子たちが奏でる言葉や歌に耳を澄ましてくれている。

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