高野山・熊野を愛する百人の会

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メンバー紹介

東京大学先端科学技術研究センター 所長/教授

神崎 亮平さん

Profile

和歌山県高野口小学校を卒業後、智辯学園を経て筑波大学に入学。86年筑波大学大学院生物科学研究科にて博士号を取得後、アリゾナ大学に博士研究員として留学。同大学Adjunct Professor、筑波大学生物科学系教授を経て、東京大学大学院情報理工学系研究科教授。2006年より東京大学先端科学技術研究センター教授。2016年より所長。進化で獲得された生物の優れた能力(知能)を最先端の科学技術により再現し、生かす研究を進める。スーパーコンピュータ「京」による昆虫脳の再現、昆虫脳で動く「サイボーグ昆虫」などユニークな脳研究を展開。子供実験科学教室や講演会も精力的に行う。ミラノ-ビコッカ大学名誉学位。東京理科大学客員教授。日本工学アカデミー会員、日本比較生理生化学会前会長などを歴任。2015年に橋本市文化賞を受賞。
http://www.brain.imi.i.u-tokyo.ac.jp/

スピリチュアルが生かすこれからの科学技術

高野山のふもと高野口で高校まで育ち、高野山が醸すスピリチュアルな世界観が全身から脳裏まで染みついている。最先端の科学技術に日々接する中で、西欧が築いた最適な解を求める科学技術の在り方に少々違和感を持ち始めている。多様な人々が暮らすなかで、最適な解は確かに一部の人は幸せにするかもしれないが、万人の幸せからは遠くなる。2030年をめざした持続可能な開発目標(SDGs)が、No one left behind(誰一人取り残さない)を理念として国連から提出された。まさに「一即多多即一」という日本人のDNAに刻まれたスピリチュアルだ。ここから人や自然、万物を大切にするこころ、もったいないの精神も生まれたと思う。これまでの科学技術のありかたをもう一度、わたしたちのこころの故郷に立ち返って考えてみる必要を感じる。千二百年にわたる長い年月をサステイナブルに超えさせた高野山や熊野のスピリチュアルにそのヒントが潜んでいると思う。

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