高野山・熊野を愛する百人の会

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メンバー紹介

小説家

坂井 希久子さん

Profile

和歌山県和歌山市生まれ。
2008年、『虫のいどころ』で第88回オール讀物新人賞受賞。
2017年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』で第1回高田郁賞、第6回歴史時代作家クラブ新人賞受賞。
代表作に、『泣いたらアカンで通天閣』『ヒーローインタビュー』『ウィメンズマラソン』『ハーレーじじいの背中』『若旦那のひざまくら』『居酒屋ぜんやシリーズ』などがある。
現代物から時代物、官能から人情物と、一つのカラーにこだわらず創作の幅を広げている。

物語の種を拾い集めに

生家は和歌山城のすぐ目の前。朝な夕なにお城の鐘を聴き、虎伏山の緑を拝んで育ったが、高校卒業と同時に他県に出てしまったため、実は和歌山のことをあまり知らない。そしてそのことをさほど気にせず、前だけ向いて突っ走ってきた。
だが私も不惑を過ぎ、山影のない関東平野に暮らしていると、ふいに心の渇きを感じることがある。子供のころ親に連れられて行った高野山、それから熊野三山、その深い緑と霊気を含んだような霧に、包まれて無になりたいと思う。もしやこれが、里心というものなのだろうか。
きっとそこには、物語の種がある。私の魂の根源とも言えるものが散らばっている。それらを丁寧に拾い集め、水を遣り、一つの作品に育て上げたいと思っている。

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