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メンバー紹介
弁護士(元内閣法制局長官)・大阪大学客員教授
阪田 雅裕さん
和歌山市生まれ、城北小学校・伏虎中学校卒。両親は、2000年まで市内で青果物卸商を営んでいた。妻も同郷(桐蔭高校卒)。
東京大学法学部卒業後、1966年に旧大蔵省に入省、大臣官房審議官在職時に内閣法制局に転じ、小泉内閣で内閣法制局長官を務めた。退官(2006年)後は、大手法律事務所の顧問に就任する一方、社会福祉法人全国盲ろう者協会の理事長を務めるなど、社会福祉活動にたずさわってきた。集団的自衛権や天皇の生前退位などの憲法問題を中心に、全国各地での講演やメディアでの発信等、言論活動を続けている。著書に「政府の憲法解釈」「『法の番人』内閣法制局の矜持」ほか。
私にとっての高野山は、文字通りの聖地です。
現在の若者には想像もつかないでしょうが、1970年頃までは、家庭はおろか中央官庁の建物にさえ、冷房がなかったのです。私の大学受験はそのさらに10年も前、今ほどではなかったとはいえ夏の猛暑は、受験生には大敵でした。そうした中で、高校3年生の夏休みに、親が手配をした高野山の宿坊の一室に、ほぼ1か月間、一人で籠って受験勉強に励みました。当時は受験塾などもありませんでしたから、私の大学合格は、この時の清涼な空気と静寂の中での勉強と、それ以上に弘法大師のあらたかな霊験の賜物なのです。朝もやに包まれた奥之院に通じる石畳の凛としたたたずまいが、半世紀を経た今も瞼に浮かびます。
熊野古道は、ほんの一部しか知りませんが、不思議な荘厳さを実感しました。神宿る紀伊の地を内外の多くの人に訪れてもらいたいものです。
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